Winter Kiss








短い冬休みの賢い使い方。



冬と言えばゲレンデ。
白い雪とロマンチックな時間の共有。


・・・・・・・・となれば善は急げ!






「あっく〜ん、冬休みお出かけしようv」

「嫌だ」

あっさり駄目だしですか?

「まだどこに行くとか何も言ってないのにぃ〜」

そんな嫌そうな顔しなくてもいいでしょうよ。
「てめぇの行きそうな場所くらい見当つくだろーが」

「そう?案外違うかもよ」

「どうせあれだろ?スキーだのスノボーだの」

「あら、よく解ってらっしゃる♪」

「絶対行かねぇ」

それはあれかな?
寒いのが苦手だから・・・とか。
・・・・・・もしかして滑れないからじゃあないよねぇ?

「・・・・うるせぇよ」

「何も言ってないでしょうが」

口には出してないはず、なんだけど〜?

「目が言ってる」

「それはもう愛の力ってやつねv」

「死ね」

ああ、つれない!
困ったなぁ・・・・でも折角の休みだし出かけたい。
出かけたいけど断られるし?
冬にしかできない事したいじゃん。どうせならねぇ。

「・・・・・滑れないなら教えたげるからさ?行こう?」

「誰が出来ないっつったよ?」

「だってそんなに嫌がるって事は〜滑れないって事でしょ〜」

亜久津の視線がきつくなる。
うまい事挑発に乗ってくれたみたいv

「まぁね〜あっくん完璧主義っぽいし?下手なとこ見せられないよねぇ」

わざとなるべく嫌味ったらしく笑ってみせる。

これで乗ってくれなきゃおれの努力は水の泡〜・・・

「ふ〜〜〜ん、でもそうかぁ。あっくんにも出来ない事あるんだねぇ」


もっと怒って。

噛み付いてきてよ。

これでも内心ドキドキしてるんだから。

本気で怒らせて嫌われたくはない。
でも怒った顔も可愛いな〜とか思ってる辺り俺ってやばいかも?

「そんなに恰好悪いとこ見せたくない?」

「っんだと?」

ああ、そろそろマジモードかなぁ・・・?
お願いだから手はあげないでね(苦笑)

「じゃあ滑れるとこ見せてくれんの?」

あ・黙っちゃった。
まずいなぁ・・・気づかれたかなぁ?

簡単に挑発に乗ってくれるとは思ってませんよ〜。
でも一緒に行きたいんだからしょうがない・・・じゃん。

目の前の亜久津は。
あからさまに大きくため息を付いて。
「しょうがねぇなぁ」
と小さく呟いた。

「行ってくれんの?やったv」

本人曰く『仕方なく』。でもね、それでも嬉しいんです。
だってどんな理由があってもそう簡単には君付いていかないでしょ?
俺だから・・・って少しは思ってみてもいいかなぁ〜・・とか。









というわけで俺達は真っ白なゲレンデに来ています。



「狡っっこい〜〜〜!!」

「はぁ?何だよ!?」

折角デート(??)にこぎ着けてここまで来たのに・・・

「あっくん全然滑れるじゃん!騙したのぉ??」

「だから滑れねぇなんて言ってねぇだろーが!」

言ってないね、確かに。
でもさぁ少しくらい俺が優位に立てるもんがあってもいいと思わない?
結構スノボーには自信あったのになぁ・・・

今日何度目かの滑走を見る限りとても上手い・・・。

「あっくんいつスノボーなんてやった訳?」
「あ?いつ・・・だったかな?優紀が好きなんだよ」

ああ、なるほど!
優紀ちゃんかぁ。・・・・好きそうだもんな〜
しかも元々運動神経いいわけだしね。上達も早いよねぇ・・・

「・・・ちょっと羨ましいかな、優紀ちゃん」

つい口から零れた言葉。

目の前の亜久津はちょっと驚いたような顔をした。

「ん?なに??」

「お前よ・・・」

そこでストップ。
言いかけてやめるのはやめましょうね〜あっくん。
気になるでしょうが!

「な〜に〜〜〜?」


更に食い下がってみる。
ゴーグル代わりのサングラスを額にあげてそれっきり何も言わなく
なっちゃって。
・・・・困ったなぁ。
どうしようか?

「・・・あっくん?」

でも怒ってる風には見えないし・・・。

もぉ〜〜どうしたらいいんだよぉ?

「ね、もう一本滑りに行く?」

取りあえず話を変えてみよう。
うん、そうしよう!

「あ〜・・そうだなぁ」

気のない返事・・・というよりは思案してるって感じ。
「それとも一休みする?」

「・・あぁ」

天気は良くても寒いからねぇ、ゲレンデ。
そろそろ小腹も空いてきたし丁度いいか。

ボードを立てかけて近くのロッジへと入る。

・・・しかし何でゲレンデに来ると『カレー』が食べたくなるんだろう?
不思議だ。
海に行くと『ラーメン』って思うのと同じ原理なのかなぁ・・・


暖かな店内でほっと一息。


特に会話が弾むでもなく、でも気まずい訳でもなく。
いつもの空間。
亜久津との時間は不思議な空気に包まれている・・と思う。
独特な雰囲気っていうのかなぁ・・・
あ〜でもそれはお互い様か☆


食後のココア(もちろんホット)を飲み終えた亜久津が席を立つ。
必然的に後を追うように立ち上がってついていく・・・形になるのは
些か不満ですが。

時間的にもう1〜2本滑ったらあがりにしようか、と思いつつ先を行
く亜久津を伺う。

「ねぇあっくん、今から上あがる?」
「どっちでもいい」

ありゃ、それ結構困ります。
どっちでもいい、ねぇ・・・・

「じゃあ一本行ってあがろうか?」

「ああ」

そっけないけどまぁいいか。
ここでこうして一緒に居る事が貴重だもんね。

「なぁお前さ」

「ん?」

急に声をかけられてふと視線をあげた。

亜久津はすでにボードに片足付けた状態で。

「あいつのどこが羨ましいわけ」

・・・・あいつ?
えっと〜〜〜・・・何の話だっけ?
羨ましい・・・羨ましい・・・?ああ。
「・・・優紀ちゃん?」

黙っているのは肯定なのかな?

「・・・どこ・・・っていや〜別に」
どこが、というより漠然と?そんな感じだったからなぁ。

まぁしいて言うなら
「あっくんとの時間が長かった事?親だし当たり前なんだけどねぇ」
あはは、と笑ってみる。

俺の知らないあっくんの時間を知ってる事。
共有の時間を持ってる事。

ああ、そう考えるとホントに羨ましいかも?

「は?・・・・お前ってバカだったんだな、千石」

バカ・・・バカって失礼な!
ん?でも何でそんなセリフが出んの?
しかも呆れ顔のまんまで・・・。

「え〜〜〜〜と?」

「くだらねぇ事に妬いてんじゃねーよ、バカが」

人差し指でデコピンしてさっさと先に行ってしまった・・・
って痛いよ!?あっくん?
「ちょっと〜あっくん何ぃ??痛いし!」

「ほら、置いてくぞ?」

逆光で見辛かったんだけど、今笑ってた?
え?でもそれって。

「ちょっ・・・と待ってよ、あっくん」

そっか。
そうだよねぇ・・今一緒に居られる事のが大事だよね。
他の誰でもなくて俺と一緒に居てくれてるんだもん?
俺って結構幸せもんだったんじゃない?
やっぱ居るんだねぇ、ロマンスの神様!

追いついて亜久津の手を取る。

「・・んだよ?」

「あっくん愛してるよv」

調子にのって軽くキスv


「このど阿呆!!!」



・・・・・げんこつは無いでしょう。

でも何だか亜久津が可愛く思えてならない冬の日だったのでしたv
いや〜神様ラブロマンスをどうもありがとう!!
















さてさて。
時期物という事で先に書かせていただきました;
16161HITの RENKA様v
スノボーは一回(2日)滑っただけなのであやふやで・・・
冬はウィンタースポーツ!これ基本でしょうv
キヨもあっくんもスノボ巧いと思うんですよねぇ・・・
・・・・こんな二人がゲレンデにいたら逆ナンしますね!
つかされるでしょう、絶対に・・・。
見目良いですし、恰好いいし・・・
キヨもうかうかしてられません;
このような文で宜しいんでしょうか・・・ちょっと不安です☆
RENKA様、ご申告ありがとうございました♪
                         なる。